クリスマスとは関係ないけれど…作品を買うことについての話。
今年は木彫作品や、絵を自宅に迎えた。
「迎える」という言い方には少し違和感を感じているのだけれど、
作品たちはただのモノとは感じられず、
「迎え入れた」という言い方が合うように思う。
私の母は、絵を見ることが好きだった。
時間があるときは、銀座を端から端まで歩いてお目当てのギャラリーを巡り、
こんな絵を見た、あんな絵を見たと話してくれた。
作品を買うことは無かったけれど、代わりに図録はたくさん持っていて
「いつか、寝たきりになったり、外出ができなくなっても
図録のコレクションを眺めながら暮らせる」と言っていた。
母は、数年前に病気を患い、外出はできるけれど、
図録を眺めることはしなくなってしまった。
絵や映画、本。かつて大好きだったものたちに、
以前のようには興味を持たなくなってしまった。
母を母たらしめていたものがすっかり抜け落ちてしまったようで、
不思議で悲しい。
私はできる範囲で大好きなものを手元に置き、
日々の生活に取り入れていきたいと思う。
特に、絵やオブジェなどは用途がないと言えばないので、
購入する時には迷いまくるのだけど…。
思い切って迎え入れた作品たちは、眺めるたびに嬉しくなったり、
時には支えになってくれたりしている。
私の作品も、選んで下さった皆様の日々の中で
楽しみのひとつになっていたらうれしい。
買う側になってみて、作品を購入するというのは
そんなに簡単なことでは無いと知りました。
私の作品にご縁を持って下さった皆様。
改めて、ありがとうございます。
写真は、先日書いた杉本さなえさんの作品。
人と、花と、動物で迷い、動物を選んだ。