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2018-12-24

クリスマスイブの日に

クリスマスとは関係ないけれど…作品を買うことについての話。

今年は木彫作品や、絵を自宅に迎えた。
「迎える」という言い方には少し違和感を感じているのだけれど、
作品たちはただのモノとは感じられず、
「迎え入れた」という言い方が合うように思う。

私の母は、絵を見ることが好きだった。
時間があるときは、銀座を端から端まで歩いてお目当てのギャラリーを巡り、
こんな絵を見た、あんな絵を見たと話してくれた。
作品を買うことは無かったけれど、代わりに図録はたくさん持っていて
「いつか、寝たきりになったり、外出ができなくなっても
図録のコレクションを眺めながら暮らせる」と言っていた。

母は、数年前に病気を患い、外出はできるけれど、
図録を眺めることはしなくなってしまった。
絵や映画、本。かつて大好きだったものたちに、
以前のようには興味を持たなくなってしまった。
母を母たらしめていたものがすっかり抜け落ちてしまったようで、
不思議で悲しい。

私はできる範囲で大好きなものを手元に置き、
日々の生活に取り入れていきたいと思う。
特に、絵やオブジェなどは用途がないと言えばないので、
購入する時には迷いまくるのだけど…。
思い切って迎え入れた作品たちは、眺めるたびに嬉しくなったり、
時には支えになってくれたりしている。

私の作品も、選んで下さった皆様の日々の中で
楽しみのひとつになっていたらうれしい。

買う側になってみて、作品を購入するというのは
そんなに簡単なことでは無いと知りました。
私の作品にご縁を持って下さった皆様。
改めて、ありがとうございます。

写真は、先日書いた杉本さなえさんの作品。
人と、花と、動物で迷い、動物を選んだ。